「社内SEって実際どんな1日を過ごしてるの?」
求人や転職サイトの記事だと、仕事内容はなんとなく書いてあるんですけど、1日の流れまでイメージできるものはあまり見かけません。私自身、社内SEに転職する前は、ここがどうしても見えなくて困りました。
なので今回は、現役の社内SEとして毎日働いている私の1日を、時刻ベースのタイムスケジュールでそのまま書いていきます。割り込み対応のリアルや、開発に集中できる日と問い合わせで潰れる日の差まで含めて、できるだけ赤裸々に。
最初に断っておくと、私は中小企業の社内SEです。1日の過ごし方は会社の規模や業界で本当に大きく変わるので、この記事はあくまで「中小企業の一例」として読んでもらえると嬉しいです。
私の立ち位置
軽く自己紹介を。
私は前職が外資系SIerでした。最初の半年ほどは客先常駐で働きましたが、その後はコロナの影響でフルリモートに切り替わりました。そこから現在は中小企業の社内SEに転職して、販売管理システムの機能開発と、社内からの問い合わせ対応を担当しています。
具体的には、取引先ごとにカスタマイズしたEDI(取引先と電子的にデータをやり取りするしくみ)の開発がメインで、あわせて社内のユーザーがデータを参照するためのツールの開発や保守も担当しています。販売管理システムを使っているのは社内の営業・物流・経理などのメンバーで、私はそこから上がってくる要望や問い合わせを受けながら、開発と運用の両方を回しています。
社内SEの1日|時刻別タイムスケジュール
ここからが本題です。私の通常の1日を、時刻ベースで書いていきます。
8:30〜9:00 出社とタスク整理
出社して席に着いたら、まず最初にやるのがタスク整理です。
- 前日からの持ち越し
- 今日中に着手しないとマズいもの
- 朝イチで来ているメールやチャットの依頼
これらをメモアプリにざっと書き出して、優先順位を決めていきます。とはいえ、きっちり作り込んでもどうせ問い合わせ対応で組み立ては崩れるので、ここはあえて大雑把にリスト化する程度に留めています。
9:00〜10:00 メール・チャット確認と作業依頼の処理
タスク整理が終わったら、メールとチャットを上から順番にさばいていきます。
ここで処理する作業依頼は、たとえばこんなものです。
- 取引先マスタの追加・修正
- データの確認・抽出依頼
- 出荷データの修正など、画面上ではできない処理をDB(データベース)を直接操作して対応するもの
これらは「ユーザーの業務遂行に影響が出る可能性がある」ものなので、自分の開発タスクより先に片付けることが多いです。1件あたり数分で終わるものから、調査が必要で1時間以上かかるものまで、結構幅があります。ごく稀にですが、半日かかるようなハードな依頼が混ざることもあります。
朝のうちにここを潰しておくと、午後に開発の集中時間を確保しやすくなる、という狙いもあります。
10:00〜12:00 開発タスク(割り込み発生ゾーン)
朝のさばきが終わったら、ようやく自分が抱えている開発タスクに向かいます。
このタイミングが、午前中で一番集中できるブロックです。主にSQL(データベースを操作する言語)を使って、取引先別のEDI処理を実装したり、社内向けツールのメンテナンスを進めたりします。
ただ、ここで一日中コーディングに集中できるかというと、現実はそうじゃないんですよね。「ちょっとこのデータ見てもらえる?」「このツール起動しないんだけど」みたいな相談が、ぽつぽつ入ってきます。これはもう避けようがないので、来たら基本的に割り込みで対応する感じです。
12:00〜13:00 昼休み
昼休みは普通に1時間。社員食堂はないですが食事スペースはあるので、基本はそこでコンビニのおにぎりを食べて、残った時間で軽く昼寝してリフレッシュしています。外に出ることは稀ですね。
ここを削って仕事することはあまりないです。むしろ午後に集中力を残すために、しっかり休むことを意識しています。
13:00〜17:00 開発と問い合わせのミックス
午後はまた開発に戻ります。問い合わせの量は午前中と同じくらいで、特別に増えるわけではないですが、午後もぽつぽつ相談が入ってきます。
営業や物流のメンバーが業務の中で詰まったときに「ちょっと相談していいですか」と声をかけてくる、というのが午後の主なパターンです。
なのでこの時間帯は、開発と問い合わせ対応を行ったり来たりしながら進めることになります。集中型の人にはちょっと辛いゾーン。あとは外部ベンダーとの打ち合わせがあれば、対象システムの規模にもよりますが、ここに1時間〜3時間くらい入ってくることもあります。
17:00〜18:00 翌日のタスク整理・退社
定時前の1時間は、その日の進捗確認と、翌日のタスク整理にあてます。
- 終わったタスクのクローズ
- 終わらなかったタスクの残量メモ
- 翌日朝イチでやることの確定
- 引き継ぎが必要な情報の共有
ここまで終わったら退社、という流れです。通常月だと残業はあまりなく、月10時間以内には収まっています。
1日で最も時間を奪う「割り込み対応」のリアル
タイムテーブルだけ見ると整って見えるかもしれないですが、実態を支配しているのは「割り込み」です。ここを書かないと社内SEの1日のリアルにはならないので、もう少し掘り下げます。
よく来る問い合わせの具体例
私のところによく来る問い合わせ・依頼を、もう少し具体的に挙げてみます。
- 出荷データなど、画面からは修正できないものをDBで直接修正する依頼
- 何かしらの要因で出荷ができなくなっているときの調査
- 社内ツールが起動しないというトラブル
- 取引先マスタの追加・修正
- 外部ベンダーへの改修依頼や調整
- システム障害の対応(夜間呼び出しは今のところなし)
- 月次・年次の定例作業(請求データ作成や棚卸対応など)
ちなみに、よくある「PCが繋がらない」「プリンタが動かない」「パスワードを忘れた」みたいなヘルプデスク的な対応は、現職では同じ部内の別チームが担当しているので、私のところには来ません。ただ前々職ではヘルプデスクも兼ねていたので、ここは本当に会社によってバラバラだと思います。社内SEがヘルプデスクも兼ねている職場もあるので、入社前に確認した方がいいポイントです。
「ちょっといいですか」が来ると何が起きるか
割り込みが地味にしんどいのは、ただ作業が中断されるからじゃありません。
頭の中で組み立てていた処理の論理が、問い合わせ1つで吹き飛ぶんですよね。 終わったあとに、また組み立て直すところからやり直し、ということが普通に起きます。
たとえば、複雑なSQLを書きながら「このデータの整合性がここで崩れるな」みたいに頭の中でロジックを組み立てている最中に、「このデータの抽出だけお願いしていいですか?」が入る。対応自体は10分で終わるんですけど、終わった後に元の作業に戻ろうとすると、さっきまで組み立てていた論理がきれいに消えていて、もう一度ゼロから整理し直し、ということが本当によくあります。
これが、マルチタスクが平気な人と集中型の人で、社内SEの体感が大きく分かれる理由です。同じ1日を過ごしていても、感じ方がまったく違ってくるんですよ。
開発に集中できる日と、問い合わせで半日潰れる日
通常の1日を時刻別に書いてきましたけど、実は「毎日この通り」ではありません。
開発と問い合わせの比率は、日によって本当にまちまちです。
- 問い合わせがほぼゼロで、開発に集中できる日
- 半日以上が問い合わせ対応で潰れる日
- その中間の日
体感だと、月の中で開発に集中できる日は3〜4割くらい、問い合わせメインの日が2〜3割、混在する日が残り、みたいな感じですかね。
厄介なのは、どの日が来るか事前にはほぼ予測できないことです。月末月初等の定期処理のタイミングだけは「今日は問い合わせ多そう」と読めますけど、それ以外は完全にナマモノ。朝に「今日は開発に集中するぞ」と決めても、大きめの問い合わせが1件入ってきた瞬間にその予定は崩れる、というのが日常です。
繁忙期の1日はちょっと違う(前々職でのシステム刷新経験から)
ここまでは通常月の話でした。社内SEには「繁忙期」もあります。
ただ、現職の会社ではまだ大規模な繁忙期は経験していないので、ここは前々職の社内SE時代の話を書きます。前々職は製造業の会社で、そこで販売管理システムの刷新を経験しました。
システム刷新期は、本当に通常運転とは別物です。
- 朝イチで業務部門から「〇〇の動きがおかしい」みたいな報告が立て続けに入る
- 既存システムからの移行作業が並行して走る
- ベンダーとの打ち合わせも日常的に入る
- マスタデータの整合性チェック、テスト、本番反映の準備
通常月と比べると問い合わせの量はぐっと増えますし、残業も普段よりかなり多めになります。私の場合は、月45時間以内には収まっていたかな、という感覚です。
ちなみに刷新そのものの開発は外部ベンダーに依頼していたのでコーディング工数が爆増する、というほどではありませんでした。社内SEとして本当に忙しくなるのは、ユーザーテスト期間と本番切り替え前後で、ここに業務が集中する感じです。あとは付随作業として、クライアント端末を100台近く新環境にセットアップする必要がありましたが、ここはキッティングサービス(端末の初期設定を代行してくれる外部サービス)を利用したので、自分たちでやる作業は最小限に抑えられました。
ここで言いたいのは、社内SEの「楽そう」「残業少なそう」というイメージは、通常月の話だということです。会社が大きなシステムイベントを抱えているタイミングは別物で、規模次第では夜間対応や休日対応も発生します。社内SEへの転職を考えるなら、こういうイベントが直近で控えていないかも、面接で確認しておくと安心です。
まとめ|社内SEの1日を踏まえて
ここまでで、社内SEの1日のイメージはだいたい伝わったかなと思います。
- タイムテーブル自体はそこまで殺伐としていない
- ただし「割り込み対応」が常時走っているのが特徴
- 開発に集中できる日と、問い合わせで潰れる日のムラが大きい
- 繁忙期は別物の世界
この働き方は、マルチタスクが平気で、その日の状況に合わせて柔軟に動ける人にはハマります。逆に、1つのタスクに腰を据えて取り組みたい人にはしんどい部分もあります。
「楽すぎ」「勝ち組」と言われがちな社内SEですけど、実態はもうちょっと立体的です。残業量・問い合わせ量・自分の集中の好みなど、複数の要素を掛け合わせて見ないと、自分に合うかどうかは判断できません。
ここまで読んで、もう少し別の角度からも社内SEを知りたいと思った方は、関連記事をどうぞ。社内SEの仕事内容の全体像はこちらにまとめています。



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